2008年9月8日月曜日

裸婦クロッキー・3・・・割り箸ペンと彩色


                                  図20

裸婦クロッキーの3日目。
割り箸ペンで、クロッキーをしてから、それに絵の具で彩色をほどこす。私は、透明水彩絵の具をつかったが、講師の先生は、不透明水彩(ガッシュ)を使われていた。参加者の中には、数色のコンテで彩色している方もいた。モデルの雰囲気やイメージを大切にし、そのものの固有色にとらわれずに彩色した方がよいとの話であった。
前回も書いたように、私の場合は、彩色する段階で色に関心が向いてしまい、クロッキーの線を生かすことを忘れてしまった時があった。後半は、講師の先生の指摘を受けて、もう一度、線を大切に見直すようにしてみた。線と色とのバランスを量り、色彩が線の力を一層際立たせるように心がけてみたが、自分なりにできたかなというものは、上の2点だ。
クロッキーの特訓を兼ねて3日間の講座を体験したわけだが、3日目が一番良く見られるようになり、手もそれに応じて動くようになったように思う。「クロッキーの力は、音楽家の練習と同じように、毎日の積み重ねに裏付けられている」という言葉を忘れずに、これからも励んでいきたいと感じた。

裸婦クロッキーの作品は、いずれもF8サイズのもの。



2008年9月6日土曜日

裸婦クロッキー・2・・・割り箸ペン


                                図19

「クロッキー講座」の2日目。鉛筆に代わって、「割り箸ペン」を使ってのクロッキーをする。

割り箸ペンは、身近なところで手に入るものでよく、インクの吸い込みと持ちの良いものが使いやすいという話を聞く。竹素材などの高級なものより、蕎麦屋やコンビニ弁当についてくるようなものを、良く削って、先を細長くして使う。持ち方は、鉛筆持ちではなく、ペインティングナイフのように上から被せたような持ち方をして描く。

はじめのうちは、なかなか思うように手が動かなくて、微妙な線が引けなかった。ペン先に付けるインクの量の加減もなれないうちは、うまくコントロールできず、「溜まり」を作ってしまったり、極端に線が太くなったりした。午前中1時間あまり、この割り箸ペンに慣れるのを目標に描きつづけ、それから、絵の具で彩色した。時間は、10分間で1ポーズずつ、クロッキーを繰り返した。5分程でクロッキーをして残りの時間で彩色していくペースだ。

彩色については、クロッキーの線に当てはめていくような塗り方ではなく、線をはみ出しても良いという指示だった。色使いも固有色にとらわれることなく、モデルの雰囲気やイメージを表現していくようにということだった。私の場合、普段から、水彩絵の具でスケッチや風景画を描いていたので、色を付けることは楽しい作業だったが、これが以外にも落とし穴になった。

それは、色の表現の方が、線の表現よりもインパクトがあるために、色にこだわりすぎると「クロッキー本来の線の魅力」が削がれてしまうということだ。描いていくうちに、どうしても色の方に目が向いてしまい、気がつかないうちに塗りすぎてしまう、そういう落とし穴があった。

2日目は、まだ、それには気づかずに、10分のなかで、どうやって割り箸ペンを扱い、彩色まで仕上げるかに汲々としていた。

2008年9月5日金曜日

裸婦クロッキー・・・「とにかく線が命!」

                              図18


上野の森アートスクールの「クロッキー特別講座」に今回、はじめて参加した。講師は、画家の古山浩一さんで、3日間の講座で、計150枚のクロッキーを描くという特訓講座だ。

一日目は、鉛筆(私はコンテ鉛筆を使用)で、5分間クロッキーを午前午後の4時間、最終では、2分間のクロッキーも入り、50枚ほど描くことになった。もちろん、休憩を挟んでのことだが、集中して線を引くことを繰り返していく中で、画材の使い方、鉛筆の持ち方や力の入れ方、線の引き方などを習得していく内容だった。
古山先生は、「形を捕らえることよりも、生きた線を引くことが大事!」と、繰り返し強調されていた。どうしても、バランスや形の大小など気になってしまうところだが、先生のお話では、「形やバランスは、数多く描いていくうちに、後からついてくる」と言うことのようだ。20名弱の参加者が集まっていたが、皆、黙々と手を動かしていく。気がつくと、あっというまに5分経っていることが多く、手足や体の細部は、殆ど描けない状態だ。

「引いた線が一様にならないようにすること、その為に、体の各部の筋肉や骨にそって、線の違いを見ていくことが大事だ」という指摘を何度も受けた。また、体の前面と背面とでは、引く線に違いが出てくるように、ピシッと「決める線」とさらりと「受ける線」の違いを意識しながら描いていくということも繰り返し話をされていたように思う。

私の描いたものは、まだ、講師の先生に指摘されたような線は描けていないが、繰り返し手を動かしたうちで、自分なりに気に入った線が引けたかなと思う。

クロッキーは、とにかく、線が命!」・・・講師の先生の言葉を反復しながら、刺激的な時間が過ごせた一日だったように思う。